世界のありとあらゆるものは3次元の空間に存在します。人間の頭の中には世界を表す仮想的な空間が広がっており、周囲の人間や物体のすべてが配置されていると考えることができます。そのこころの中の地図に従って、人間は未来を予測し、世の中を渡り歩きます。我々の生存は、それをいかにうまくこなすかにかかっており、こころの表象=シンボル化が正確であれば成功しますし、不正確であれば道に迷ったり困窮したりすることになります。メンタルスペース心理学では、あたかも現実であるかのようにとらえられている、このような想像上の構造物に囲まれながら、その中心で人間がどのように生きているかを示す学問です。そして、アカデミックな心理学と今日の目覚ましい臨床の取り組みを橋渡しする試みです。幸いにも、これらの構造物を動かしたり修正したりでき、そうすることで世界観をアップデートすることが可能です。「この認知の基盤にある3Dの特性をどのように探究し、理解し、応用していけるか、」これがメンタルスペース心理学の最大の問いかけです。