ソーシャル・パノラマアプローチは、一般化された無意識の空間像が社会生活の認知的基盤になるという見方に基づく心理療法である。それは、様々な人間関係の問題を解決し、社会的認知の空間の研究に着想を与えるものとなりえる。ソーシャル・パノラマモデルの第一の原理は「関係と位置は一致する」というもので、人々が彼らを取り巻くメンタル・スペースの固定された位置に、自分と関係する人たちの一般化されたイメージを置くことを意味する。そのようなイメージの正確な位置は、その人間関係の情動的な質をつかさどる。我々は、社会的イメージを動かせば、そこにかかわる人間関係の情動的な意味も変わるという予想を試した(つまり、関係と位置は一致する)。この目的を達成するために、愛する人のイメージへの距離を増せば、どのように情動的な経験が変わるかを計測した。一つの実験結果では、愛する人のイメージの距離を3倍にした時、参加者の情動に有意な強度の低下と劇的な質の変化が見られた。