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2016.04.08

問題ギャンブルとカジノ対策を考える(10) バドミントン選手 闇カジノ通いの背景は?

ブログをご覧の皆さま、こんにちは。

スポーツ選手によるギャンブル問題が断続的に報じられています。
先日は、バドミントン選手の闇カジノ通いが発覚。
五輪への出場が絶望的になるだけではなく、日本バドミントン協会からの除名が検討されているなど、影響はまだ広がる可能性が有るということです。

ここ数年、めざましい躍進ぶりの日本バドミントン界なだけに、残念という声が挙がっています。
しかし、残念の一言で済ませて良いのか、色々考えるところがあるというのが、今回の内容です。

 

まず、闇カジノ通いを続けていた選手の、心のうちについてです。
昨年の野球賭博問題以降、スポーツ選手としての心構え、精神面や道徳面といった部分を立て直さないといけないといった意見がそこかしこから聞こえ、各スポーツチームもコンプライアンスの面も含めた指導を行っています。

しかし、止まらぬギャンブル問題。
もしかしたら、指導の「ツボ」を外しているのかもしれません。

以下の図は、私が作成したスポーツチーム向けの依存症啓発資料の1ページです。

 

スポーツチーム向け啓発-002

 

スポーツ選手に限らず、ギャンブル依存症者によくあるパターンもあります
周囲への見栄(自分はどのように見られているか)という部分は特にそうです。

そこに、スポーツ選手特有の不安、緊張感、プレッシャーなどが加わり、
そのような心の状態に、たまたま出会ったギャンブルがマッチするというのが始まりです。
(人によってマッチする対象が、ドラッグやアルコール、その他の対象になる場合があります。)

そして、図にはありませんが、ギャンブルをしているときの「引きの強さ」や「駆け引きに勝つこと」大きな刺激となり、さらにはスポーツ選手としての「勝負運の強さを試す」という様なことも相まって、身も心もギャンブルを欲するようになります。

今回の選手は、バカラ賭博にはまっていたという事で、特に戦略性が求められるようなギャンブルに惹かれていたのかもしれません。また、そこに、違法賭博をしているという後ろめたさも加わって、得られる快感が日に日に手放せなくなって行ったのかもしれません。
・・・それは、まるで薬物で得られる快感に近い、と表現する方もいます。

薬物は「ダメゼッタイ」。
しかし、カジノは海外では合法な所もあることから、何らかの理由づけをして、続けていたのかもしれません。理由づけをしながら、対象を止めることを回避するのは依存症者の特徴でもあります。

以上のことを踏まえた時、単なる法令順守や道徳的な考え方だけでは問題の解決は難しく、試合に勝つことを主な目的としたサポートだけではない、もっと幅の広い「心の支援」が必要だと考えます。
選手自身も、自覚では、根性ではどうにもならないことがあるという事を知ったり、良くないと分かっていても止められないのは、自身のどこかに問題が有るのだという事を知ることが必要。
そして適切な回復手段につながる事を促せるような空気にチームが満たされている事も大切です。

 

勝つことを主な目的・・・という点でチームや協会に対して、もう一言。
選手たち、特にメダルが有力視されているような実力選手に対して、日頃どのように接していたのか?少々疑問を感じます。

21歳、26歳。
今回問題が発覚した選手の年齢です。

21歳の選手は、子どものころから将来を期待された選手として、結果も残してきました。
その結果に注目が集まり過ぎて、コート以外での生き方について何らかの支えは有ったのでしょうか?
26歳の選手もしかり。
あくまで推測に過ぎませんが、スポーツ選手としての自覚、大人としての自覚が育まれて行くプロセスがどこかで阻まれていたならば、それこそ残念な事ではないでしょうか。

そして、以前からの記事の繰り返しになりますが、
この問題は、スポーツ選手やスポーツチームに限った話ではありません。
企業や各種団体でも同様の事が言え、家庭でもあてはまる部分が多くあるのではないでしょうか?

 

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「ギャンブル依存症」