問題ギャンブルとカジノ対策を考える

犯罪の陰に隠れる、問題ギャンブル

2016年4月28日 コメントする

ワンネスグループの三宅です。

 

学校の教頭先生が約130万円を横領した事で懲戒免職になったというニュースがありました。
理由は借金返済、借金の理由はギャンブルと飲食だったそうです。

ここまで明確に借金の理由がギャンブルと書かれていれば、さすがにギャンブル依存症の状態だろうと考えられます。しかし教頭という立場にいる人が横領という犯罪行為をおこなったという問題の大きさにギャンブルの問題が隠れてしまう可能性があります。

依存脱却のための情報が本人にもたらされる事を望みます。

 

『たかが遊び、たかがギャンブルで・・・なぜ犯罪を起こすのか?』

これが、世間一般の見方なのかなと思います。

ギャンブルは遊び。誰だって個人的な遊びの範囲に留まっている。
借金する人はいるだろうけど、まさか犯罪なんて・・・。

 

しかし、問題ギャンブルが背景にある犯罪は少なくありません。

日ごろ報じられる、窃盗、強盗などの事件。その記事の中身で‘遊興費’‘遊ぶ金欲しさ’という言葉を目にするたび、ギャンブルにはまり込み、ギャンブルをする金欲しさに事件を起こすという容疑者の姿を想像します。さらに重大な事件においても、これらの言葉を目にする事があります。

その容疑者たちは、ギャンブルというものに出会った当初からいきなり犯罪を起こすような状態にあったのでしょうか?横領した教頭先生は、初めから借金まみれになるギャンブルをしていたのでしょうか?

 

これは、単純に「たかが」とは言い切れない問題の深さがあります。

重大事件ほどはニュースで取り上げられない、しかし見逃してはいけない犯罪は他にも多々あります。犯罪の大きさに目が行き、たかがギャンブルでという考えで依存症についての視点が見過ごされてしまっている。

この現実を、もっと多くの方に知って頂けたらと思います。

 

昨日、ある裁判の情状証人として出廷してきました。
情状証人とは、刑事事件の裁判で、刑の量定にあたって酌むべき事情を述べるために公判に出廷する証人を指し、私はこれまで10数回、依頼を受けました。ほとんどが背景にギャンブル依存の問題が考えられる事件でした。

公判でお話しする中で毎回のように感じるのは、「単なる遊びにすぎないギャンブルで、なぜ犯罪まで起こしてしまうのか」という心理的な部分や、「ギャンブル依存症は、脱却のための何らかの対処が必要な問題である」という事を理解して頂くのは、途轍もなく難しいということです。

 

『ギャンブルしたいからって、なんで犯罪まで起こすのか?』

 

そもそも、犯罪を起こすということは、頭の片隅にも無かった。

私も、はじめは「たかがギャンブル」って思っていたし、うまく遊べていた。

しかし、いつしか、ギャンブルが生活のいろんな部分に影響を与えはじめ、

今まで考えもしない事、法律に触れるような事を考え始める。

それをやったら、さずがにまずい。

でも、ギャンブルを止めたらどうなる?

心の底から湧き出る「恐れ」を止めるためには、結局ギャンブルしか、ない。

大切なものを全部メチャクチャにする事が分かっていながらも、

やっていけない事・・・犯罪に手を出した。

 

一般的な見方は、「身勝手な犯行」です。
確かにそうなんです。身勝手としか言いようが無いのです。

起こした事を小さくしたり、無かったことのようにするつもりもない。

 

ただ、犯罪の背景にギャンブルの問題があるならば、その人の今後を考えた時に、何とか脱却の機会を与えてもらいたいと強く願います。さらに言えば、刑事手続きの中のどこかの時点で、本人のギャンブルのやり方がどのように変化し、その変化と犯罪の関係まで、見つめる時間を与えることはとても意味のあることだと考えます。

 

「たかがギャンブル」という意識から「ギャンブルでさえも、こうなる」という意識に変化したとき、もしかすると、再犯防止について大きな効果が出るのかもしれません。

 

再犯防止といえば、刑の一部執行猶予制度が6月からスタートします。
懲役や禁錮刑の一部を執行した後に残りの刑期を猶予し、社会内での更生を図ることが目的で、基本的には薬物事犯者をメインとした運用になるものと思われます。しかし、対象者の中にに、ギャンブル依存が背景にあるケースを早期に加えていくことで、こちらも再犯防止の大きな力になると思います。

 

最後に、弁護士の先生方へ。
情状証人について、ネットを検索して私を見つけ依頼したというケースもありました。
被告の方の話をじっくり聞いていく中で、これはギャンブル依存症ではないかと気づかれて検索されたとのことで、そのセンスに頭が下がる思いでした。

 

「アルコール依存症者」と「医師」の関係性と、「ギャンブル依存症者」と「弁護士」との関係性って似ているなと、私は勝手に考えています。

アルコール依存症へ対処する認識が希薄だと、酒でダメージを受けた本人の身体症状だけ良くして、いわば‘飲める身体’にして退院になるという実態もまだあるようです。一方、ギャンブル依存症へ対処する認識が希薄だと、単に借金を整理するだけに留まり、いわば‘また借金してギャンブルできる身体’にしてしまうという事が考えられます。その点、債務整理の際にはじっくりとその方の話を聞く事で、時に依存の悪化を防ぐことにつながるのではないかと考えますし、悪化を防ぐということは、将来的に発生するかもしれない犯罪を未然に防ぐ役割を果たすのではないでしょうか。

 

そして、万が一、犯罪に至ってしまった時。
担当される弁護士の方に、ギャンブル依存症の認識があるならば、
それをきっかけに、本人の依存脱却・・・生き直しにつなげられます。

 

たかが、ギャンブル。
しかし依存症者にとっては、人生を終わらせかねない・・・
圧倒的な力をもつ存在になってしまっているのです。

 

明日からゴールデンウィークでお休みという方も多いかもしれません。
私が勤務しますセレニティパークジャパンは、祝日の4/29、5/3.4.5は開いていますので、もし、施設見学のご希望が有りましたら、お気軽にご連絡ください。

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参加費無料/当日のご参加可能です。
終了後、相談も受け付けます(人数に限りがありますのでご了承ください)

<奈良・奈良市>5/10(火)18:30-20:30
エルトピア奈良 小会議室3(奈良県奈良市西木辻町93-6)
「依存症と’生きづらさ’」

<三重・四日市市>5/13(金)13:30-16:30
四日市市市民交流会館 第4会議室(三重県四日市市本町9-8)
「生きづらさから生きやすさへ」
※後援:四日市市/三重県精神福祉士協会(順不同・敬称略)

<福島・郡山市>5/21(土)13:30-16:30
郡山市民文化センター 第3会議室(福島県郡山市堤下町1番2号)
「生きづらさ」から「生きやすさへ」

<宮城・仙台市>5/22(日)13:30-16:30
生涯学習支援センター 第2セミナー室(宮城県仙台市宮城野区榴岡4-1-8)
「生きづらさ」から「生きやすさへ」

<愛知・名古屋市>5/27(金)13:30-16:30
ウィルあいち セミナールーム5(愛知県名古屋市東区上堅杉町1)
「女性の依存症と回復」
※後援:愛知県/名古屋市(順不同・敬称略)

<兵庫・神戸市>5/28(土)13:30-16:30
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「ギャンブル依存症」

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