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- 経験者目線のギャンブル依存対策~何が問題なのか?何が必要なのか?


2015.10.10
問題ギャンブルとカジノ対策を考える(3)野球賭博問題と予防の必要性
みなさん、こんにちは。精神保健福祉士の三宅です。
10月も半ばに近づき、私が住んでいる奈良の中和地域は朝晩の冷え込みが増してきました。
通勤の車でも今季初めて暖房を入れたほどです。
収穫の時期ともなり、近隣の町々では今日と明日は秋祭りで地車がひかれ賑わいます!
ワンネスグループも、先週は創立10周年の感謝の意味も込めました、
お祭りならぬ「フォーラム」を横浜市にて開催いたしました。
合計8時間の長丁場、ご参加・ご協力いただいた皆さまに感謝申し上げます。
「日本における依存症関連問題の解決を目指して」と題した今回のフォーラムでは、ギャンブル関連の話題について、私とIGCCB(国際問題ギャンブルカウンセラー認定委員会)代表のロリーンルーグル博士がトップバッターとして登場。問題ギャンブル対策についてのアメリカ国内の状況と日本国内の状況についてお話しさせて頂きました。
その中でルーグル博士は、「ギャンブルは楽しみという反面、公衆衛生上の重篤な帰結を伴う娯楽である」と述べられました。
経済費用(生産性の低下)、破産、自殺、健康保険・保健、家族内の費用、社会的サービスの費用、精神保健の費用など・・・。
これは、アルコールについても同じ事が言えましょう。
楽しみ・気晴らし・社会の潤滑油・・・、その反対にある数多くの問題。
アルコールについては、既に各所で様々な取組みがなされ、本格的な対策を講じるための法律も昨年施行されたのは、みなさまもご存じのところだと思います。昨秋、「飲酒運転防止インストラクター」の講習に参加しましたが、依存症や問題飲酒についての取組みが事業所内にまで拡がっているのは素晴らしい事だと感じました。薬物についても、「ダメゼッタイ!」をはじめとする様々な取組みがかなり前から行われています。
改めてギャンブルについて目を向けると、どうでしょうか・・・。
アルコールでも行われ、薬物でも行われているような取り組みが、ギャンブルではほどんど目にしないのが現状です。
先日、プロ野球選手による野球賭博のニュースが報じられました。
スポーツ選手としてのふるまい・・・いや、そもそも人として善悪の見分けがつかないのか?
日本を代表するプロ野球チームの所属選手が起こした問題に注目が集まりましたが、その目の行き届かない所にそっと書かれていた記事・・・「この選手は、ギャンブル好きで・・・」のくだり。
このままで行くと、単に処分を受け、何事も無かったかのように日が経つのでしょう。
しかし、それでは、残念ながら問題の本質を解決したことにはならないと考えます。
ギャンブル好きが昂じて、様々なものに手を出した末の野球賭博。
そこでも借金がかさみ、一発逆転を狙っての賭け金アップ・・・。
私たちのようなギャンブル問題を抱えた当事者から見れば、非常に共感できる、この流れ・・・。
その途中で、本人が、家族が、周囲の人が、職場の誰かが、依存症や問題ギャンブルの知識とその対処法を手にしていたならば、そして・・・本人自らがその情報に基づいた行動を取っていたならば・・・。
結末はどうなっていたでしょうか?
これは、件の選手に限った話ではありません。
今回、特に強調しておきたいのは、職場内での問題ギャンブル対策です。
職場内でギャンブルの話題が交わされ、勤務時間外や休日などに社内の人間が連れだって遊びに行く事は珍しい事ではありません。しかし、その中の誰かに問題ギャンブルが発生すると、生産性が低下し、職務態度も悪くなり、金銭の貸し借りから社員間の人間関係が悪化し、さらには、社内窃盗や横領、対外的な法的問題・信用失墜などの重大な問題に至る可能性が有ります。
しかし、現状は「社員個人のプライベートな問題」「自己責任」に留まっています。なかには将来を嘱望されていたにも関わらず、問題ギャンブルによって職場を去らざるを得なかったという人も少なくないと思います。
このような事からも、職場においても、ギャンブルのリスクについて隠さず向き合い、楽しい健康的な遊び方から問題の早期識別や早期対処などの情報を提供する「予防教育」を早く構築する必要があると考えます。
そして同じようにお考えの様々な立場の皆さまと連携させていただければと強く願っています。
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さて、横浜に続いて、10月25日(日)には名古屋市でもフォーラムを開催します。
http://oneness-g.com/semi_nagoya/
こころについてのベストセラー作家「ひすいこたろう」氏の講演
依存症を知るフォーラムin名古屋
日時: 10月25日(日)11:00~17:25 (開場10:30~)
場所: 東別院ホール<東別院会館3F>
(名古屋市中区橘2-8-45)
入場無料/ただし、資料代として1000円を頂戴いたします。
フォーラムでは、ひすいこたろう氏の講演の他、
ワンネスグループのスタッフによる、依存症をより良く知るための講演、依存症回復支援についての最新の取組みも実施。
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ひすいこたろう氏プロフィール
作家、コピーライター/漢字セラピスト
新潟県出身。日本メンタルヘルス協会の衛藤信之氏から心理学を学び、心理カウンセラー資格を取得。
「3秒でハッピーになる名言セラピー」がディスカヴァーMESSAGE BOOK大賞で特別賞を受賞し、累計60万部を超えるベストセラーに。
著書に「あした死ぬかもよ?」「世界一ふざけた夢の叶え方」「常識を疑うことから始めよう」など、多数。
メールマガジン「3秒でHappy?名言セラピー」は3万人が愛読している。
(ひすいこたろう氏の写真撮影は禁止をさせていただきます。)
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