問題ギャンブルとカジノ対策を考える

ギャンブル依存症、私の経験。

2016年12月13日 コメントする

ブログをご覧の皆さん、こんにちは。ワンネスグループの三宅です。
 
国会で審議中のIR(カジノを含む統合型リゾート)推進法案。
 
昨日、参院の内閣委員会で参考人質疑が行われました。インターネットで委員会が中継されていたので、奈良の事務所で仕事をしながら見ていました。
様々な「可能性」が飛び交いました。経済効果、依存症増加、雇用への影響、治安悪化・・・。
 
ギャンブル依存症の当事者であり、現在は依存症回復支援や予防についての仕事をしている立場として、昨日の質疑に違和感を覚えました。昨日の質疑だけではなく、毎度のように言われている「カジノ=ギャンブル依存症を生み出すもの」という図式です。
 
その可能性は全くゼロではないでしょう。ただ、なぜ違和感を覚えるかというと、カジノ(他のギャンブルも含めて)があるからいけないのだと、断じて切って捨てるようなやり方ではギャンブル依存症問題は解決しないと、自身の経験をもとに言えるからです。

 

ワンネスグループでは、今週の16日(金)の大阪を皮切りに、名古屋、東京、仙台、札幌、福岡、沖縄の7会場で『ギャンブル依存症を知る緊急セミナー』を開催します。詳細を特設ページに挙げています( http://www.oneness-g.com/press_conf/ )。
 
その中にある私の体験談を、ここに抜粋して掲載します。お読みいただくなかで、なぜ私が違和感を抱いているのかをご理解いただければ幸いです。

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私もギャンブル依存症の当事者です。
 
大学1年生でギャンブルに出会い、はじめはコントロールして遊べていたものの、金銭をはじめ様々な問題をおこしていき、家族、職場、友人を巻き込み傷つけました。
 
問題をおこしていることを理解しており、今度こそ止めたいと誓うのですが止められずに状況は悪化する一方・・・。自身への信頼感も枯れ果てて、心から血がドクドク流れているような日々を過ごしました。
 
「ギャンブルのせいで、こんな人生になったんだ。ギャンブルさえなければ・・・」
依存の渦中にあったとき、そしてギャンブルを止め始めた後も、私はそう信じて疑いませんでした。
 
しかし、依存脱却のための心理プログラムを経る中で、私の心の中にあるもの(挫折感、不安、恨み、寂しさ)を知ることができ、また高校時代から続いているアルコール依存にも気づきました。
 
『ギャンブルがあったからそうなったわけじゃなく、自身の意志や根性が弱いからでもなく、たまたま出会ったギャンブルやアルコールが、自分の中の負の感情と結びついた。』
 
大きな発見により、私はギャンブルのとらわれから解放されて、10年が経ちます。同様の心理プログラムを提供している私たち施設のメンバーも、同じような経験を語っています。

 

問題をギャンブルの存在のせいにするのではなく、依存の背景を的確に捉えて、本人や家族の支援提供をする。予防に関しても、ギャンブルのメリットデメリットを伝え、依存に陥らないように、心のケアを中心としアプローチを行う。
 
依存症対策は、何かのせいにすることでは生まれにくい。そう考えます。
 
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以上の体験談に、付け加えます。

 
恥、劣等感、不安、苛立ち、孤独。
高校に入学し、成績が一気に下がった私は、毎日学校に通いながらも部室に引きこもる日々でした。
 
「こんな自分の姿を同級生にさらすのは恥ずかしい」「親をがっかりさせている」「自分はこんな人間じゃない」勉強に手もつけられず、苦しさを誰に相談できることもなく、消えたいと思う毎日。
 
そんなときに出会ったのが、お酒。先輩に勧められ、興味本位でたまたま飲んだのです。
 
あのときの感覚は、今でも忘れられません。恥、劣等感、不安、苛立ち、孤独といった、負の感情が消えてなくなり、同級生とまるで同じ立ち位置に立てたような、あの感覚。いつの間にか、自宅で親に隠れて毎日飲むようになりました。嫌なことがあると、自室にこもって、酔う。大学に入ってさらに酷くなりました。努力をしなかったせいですが、思い描いた人生の方向をはるかに外れている自分を見たくなかった。
 
大学1年の梅雨の時期でした。そのときも先輩に勧められました。パチンコです。子どものころはギャンブルが怖いものだと思っていたのですが、やはりこの時も興味本位でした。
 
振り返ってみると、ここからお酒とギャンブルが入れ替わり、ギャンブルが負の感情にフタをするための道具になっていったのだと思います。楽しい思いもしました。痛い思いもしました。けれど、周りも同じように痛い思いをしていたので、笑い話のように流していました。電気・ガス・水道が全部止まったら「まるで三冠王だな」といった感じで。
 
しかし、その輪から一人消え、また一人消えていきました。就職活動を真剣にするひと、打ち込めるものを見つけたひと。私は、いつしか一人で朝から晩までギャンブルし続けていました。
 
将来の展望のなさ、ギャンブルをし過ぎて出来た借金、周りと違う自分。見たくないことが余計に増えて、ギャンブルを余計にするようになりました。苦しかった。消えたかった。誰にも相談できなかった。
 
就職した後も、何も変わりませんでした。苦しかった。消えたかった。誰にも相談できなかった。
 
子どものときから、評価ばかりを気にするように生きてきました。
相手のがっかりした顔を見ると、自分が無くなってしまう様な感覚になりました。
 
誰しも、多かれ少なかれ評価を気にするでしょう。けれど、どこかで自分軸が作られて、評価に流されない生き方を手にしていくのだと思います。
私は、それが出来なかった。アルコールやギャンブルさえあれば、心の成長の努力をしなくても良かった。最近特に思います。アルコールでもなく、ギャンブルでもなく、その当時の先輩が薬物を勧めていたら・・・。たぶんですが、怖いながらも興味本位で使って、薬物依存になっていたでしょう。同じようなことを、ワンネスグループの施設のメンバーが口にしています。
 

生きづらさを抱えていたなかで、たまたま出会った酒やギャンブル。
周りを巻き込み、悲しませ、仕事も続けられなくなり幾つもの街を転々とし、実家に戻っても止めることは出来ませんでした。いや、余計に酷くなっていきました。借金どころかヤミ金にまで手を出し、何のために仕事をしているのかわからず、心も何もかも乾ききってしまっていました。
 
ひとり暮らしのアパート。家具は全て売り払い、電気・ガス・水道が止まりロウソクを付け、食事する金も無く缶チューハイを飲んで酔い、「このまま朝が来ても目が覚めなければいいのに」と思ったこともあります。消えてしまいたいという気持ちにフタをするために依存していったギャンブルとアルコール、その結果、私は自殺してもおかしくない状態にあったのです。

 

IR反対派の人たちから見ると、私はまさにギャンブルの被害者、あるいはヤミ金の被害者といえるでしょう。しかし、私は、いまではそのような被害者意識は持っていないというのが真実です。

 

回復プログラムの中で、過去「恨み、恐れ、罪悪感、後悔」といった感情を抱いた出来事を振り返りました。そのおかげで、私の心の中にあった負の感情、過剰に人からの評価にとらわれていた自分に、初めて気づきました。そうか・・・そんな感情が心にあったから、ギャンブルや酒がコントロールできなくなっていったんだ。
ギャンブルや酒が問題なんかじゃない、自分の生きかた、自分のありかたが問題だったんだ。そう気づけたとき、もうギャンブルとお酒は必要ではなくなったのです。
 
プログラムには、もし自分の側に改善する点があったなら、負の感情を抱いた出来事の相手に「埋め合わせ(謝罪)」をするというプロセスがあります。冗談かと思われるでしょうが、当時、私はパチンコ屋やヤミ金ですら「埋め合わせ」の対象になると感じ、店舗の中にはさすがに行けませんでしたが、道路を隔てたところから頭を下げたという経験があります。
 
自分で打ちに行ったのです。自分から借りに行ったのです。
強制されたわけでも、そそのかされたわけでもありません。

 

相手にへつらい、おもねるのではない。
私が抱えている心の問題からの解放が必要でした。

 

プログラムに取り組み、感じたのはギャンブルからの解放、自由な生き方です。
 
「埋め合わせ」は、パチンコ店やヤミ金だけではなく、親兄弟や昔の職場、友人、役所などにもしました。応援してくれる方がいました。冷静に私の過ちを指摘する方がいました。会う機会を頂けなかった方もいました。
「当然だ。それだけのことを自分はしてきたんだ。これからは人を傷つけるような生き方はしたくない」と自身に誓い、「もう、卑屈になって生きなくていい。人生のメインストリートを胸張って歩いていける」と感じました。
 
その経験から、いま。私は10年ギャンブルと酒を止めています。
やるも、やらないも自由。
その選択権を自分が握り、自分の生き方の中で「やらない」選択を続けているのです。

 

すみません・・・引用分よりかなり長い付け加えになってしまいました。私が「ギャンブル=依存症を生み出す」という単純化に違和感を覚えるのには、このような経緯がありました。
 
依存対象(ギャンブル、アルコール)が問題なのだ。・・・そんなに単純でしょうか?私は駄目でしたが、ギャンブルをレジャーとして、アルコールをたしなみとして、健康的に扱えている人たちのほうがむしろ多いのではないでしょうか。
 
私は、かつて味わった苦しみを、ギャンブルやアルコールのせいにしていません。自分のせいとまでは言いませんが、自身の心の中の問題に対処していくことで結果的に依存脱却につながったからです。

 

ワンネスグループの施設では、ギャンブルから隔離したり、嫌いになったりというアプローチはしません。ごく普通の住宅街の中にある施設で、自身の心の中の問題をじっくり見ていくための支援を提供しています。それは、私だけではなく、他のスタッフも同じような思いでいるからです。

 

IR推進法案はもうすぐ、何らかの結末を迎えます。
 
しかし、それがゴールではないという事は、賛成反対、そのどちらでもない方も含めて、考えが一致するところだと考えます。

 

依存症はすでにある問題です。「可能性や懸念」で片付けないでいただきたい。
賛否をうんぬんしている今も、苦しんでいる当事者や家族がたくさんいます。私は、過去苦しんだどうしようもない経験。でも今となっては貴重な経験を、そして苦しみから回復して自由に生きる事ができている今の経験を、出来る限り差し出していきます。

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★ギャンブル依存症を知る緊急セミナー★

※各会場とも 入場無料/事前予約不要です。

 

【大阪・大阪市】

■日時:12月16日(金)14:00~16:00

■会場:ドーンセンター中会議室2(大阪市中央区大手前1-3-49)

 

【愛知・名古屋市】

■日時:12月17日(土)19:00~20:30

■会場:ウィルあいちセミナールーム6(名古屋市東区上竪杉町1)

 

【東京・千代田区】

■日時:12月18日(日)13:00~15:00

■会場:アクセア半蔵門貸会議室第1会議室(東京都千代田区隼町2-13 US半蔵門ビル5F)

 

【宮城・仙台市】

■日時:12月21日(水)13:00~15:00

■会場:貸し会議室PARM-CITY 131 4H (仙台市青葉区一番町3-1-16)

 

【北海道・札幌市】

■日時:12月22日(木)13:30~15:30

■会場:札幌市教育文化会館研修室402 (札幌市中央区北1条西13)

 

【福岡・福岡市】

■日時:12月25日(日)13:30~15:30

■会場:新光ビル 2F・B室 (福岡市中央区天神4-4-24)

 

【沖縄・那覇市】

■日時:12月26日(月)18:45~20:30

■会場:沖縄県総合福祉センター401研修室(那覇市首里石嶺町4-373-1)

 

<お問い合わせ先>

ワンネスグループ奈良オフィス

電話:0745-24-7766(月~金 10:00~17:00)

メール:info@oneness-g.com

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