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- 経験者目線のギャンブル依存対策~何が問題なのか?何が必要なのか?
2019.03.13
自らが、自らの命を救った。
日曜日の夕方から、沖縄へ。
南城市の施設(南城依存症ケアセンター・沖縄GARDEN)にて、ギャンブル等依存症者に関する医学的研究のサポートという仕事だったのですが、その前に・・・少し早く沖縄入り。
夕方空港に到着しレンタカー屋に急いで、車で1時間半ほどの浜比嘉島へ。
日の入り間近の時間だったので、ちょっと急いでシルミチューという霊場や海岸沿いを歩いてきました。
駐車場への帰り道、子どものころに日暮れまで遊んで家へ帰ったことを思い出しました。
このところ、職場-宿-食堂-自宅という行動経路しか辿っていませんでした。
とにかくどこかへ行きたい。
心が内向きになっていたので、何とかして自分を外に連れ出したいと思いネットを見ていると、たまたま目に留まったのがこの島。
シルミチューで深呼吸をしているとき、ふと頭をよぎりました。
「魂が喜ぶ事をしたい」
現実的にできること、できないことがあるのは当然ですが、自身の根幹部分で大切にしたい思いです。
翌日の朝、南城施設の駐車場に車を止めると、遠くから元気の良い声。ある男性利用者の姿が見えました。
彼と初めて出会ったのは、昨秋の「依存症を知るセミナー 東北キャラバン」の会場。
セミナーの場に依存症者本人が来るのは珍しいことで、その珍しいことの大半は家族に連れられて渋々会場にやってきた・・・というケース。
彼もその大半のケースのひとりで、当日はご両親と一緒にセミナーに参加してくれたのですが、いわば針のむしろ。大きな身体を小さく丸め、ふさぎ込むという言葉がぴったりの様子でした。
しかしその後の展開は、大半のケースとは違ったのです。
セミナー終了後の個別相談ではご両親に部屋の外で待っていてもらい、私と彼の二人だけで話す時間を作りました。
本当はどうしたいのか?
問いかけると、ぽつりぽつりと本心を語りました。何とかしたい。でもどうしていいか分からない。
ギャンブルに問題のある彼でしたが、ギャンブルに出会う前から生きることに自信が無かったようでした。
「ギャンブルを止める、止めない」という問題じゃない。
自分がより良く生き、真の意味で自立し、新しい人生に向かってブレークスルーしていくチャンスなんだ。
できる。取り組めばきっとできる!
二人きりの話の中で、彼はその日のうちに沖縄施設へ行くことを決心しました。
その後、彼の気持ちを彼の口からご両親に語ってもらい、ご両親は彼の回復を支援していく決心をされました。
そこから、およそ3ヵ月後の再会。表情は明るく、ジャイアンのような(いい意味で!)堂々さ。
「色々と考えることはあります。」「けれど、今めっちゃ楽しいですよ!」「あの時連れてこられなかったら、今はどうなっていたかと思います。」
ほかのメンバーたちと一緒に、ギャンブルしない生き方を体感している彼。
三宅さんは命の恩人だ…とまで言ってもらえて、嬉しい気持ちになりました。
しかし、私が命を救ったわけではありません。
混乱の中で、ご家族がセミナー情報を見つけ参加し、決心されたこと。
そして彼があの場で、精一杯の勇気を出して手を掴んだこと。
自らが、自らの命を救ったのです。
今日未明、ミュージシャンであり俳優である男性の逮捕の報道が流れました。
彼が昔担当していた深夜ラジオを聴いていた者として、とても驚きましたが、同時に、依存症経験者として彼のコカイン使用の背景を思いました。
まだ、何も分かっていないので軽々に話はできませんが、依存対象で自身の命を救おうとするのではなく、周囲の支えを得ながら、自らで自らの命を救ってほしいと願っています。
※私のギャンブル依存症経験についてはこちらをご覧ください。
https://www.oneness-g.com/Psychiatric_Social_Worker/?p=279
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