依存症経験者の視点で「生きやすい」社会づくりを目指す ONENESS GROUP ワンネスグループ

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2015.10.26

問題ギャンブルとカジノ対策を考える(4)子どもたちを依存症から守れ

ブログをご覧の皆さん、こんにちは。

精神保健福祉士の三宅です。

 

週末は新潟、名古屋とセミナーを開催。

各地で新しい出会いと学びを得ることが出来ました。

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名古屋では、ひすいこたろうさんをスペシャル講師としてお招きしました。

「生きる」という事の奇跡についてお話しいただき、講演に引き続き行われたワンネスグループ矢澤代表との対談も含め、心があたたかくなる素晴らしい時間となりました。

新潟セミナーは今年2度目。「依存症を知るセミナー東北キャラバン」の一環で、昨年から青森、岩手、宮城、福島など各県で開催し、それぞれ地元の識者の皆さんにご登壇いただいています。

今回の新潟セミナーは、「子どもたちを依存症から守れ!」テーマ。こわれ者の祭典の月乃光司さん、第一学院高等学校新潟キャンパス長の横尾優介さん、NPO法人 女のスペース・にいがた 理事の石附幸子さん、お三方よりそれぞれの取組みや子どもたちと依存症について様々な話題を提供頂きました。

 

横尾さんからはネット依存の現状と対処について講演。

検索、オンラインゲーム、掲示板や動画サイト、SNS、チャット、買い物、そして・・・オンラインカジノや海外のブックメーカーなどギャンブルにいたるまで、ネット依存は大人世代にも存在するので子どもたちに特有のものではないが、中高生の依存が急増しているという現状、そして実際に寄せられる相談から依存の原因や対処法まで、学校現場にいる横尾さんならではの視点で分かりやすくお伝えいただきました。

石附さんからは、DVや虐待の問題を20年を超える取り組みを通してお話し頂きました。DVや虐待を起こす本人の背景には依存の問題があることが多く、暴力をしている事の自覚、それを選択していることの責任を取る必要があることの自覚が必要だと強調されていました。また、子どもたちが暴力から自分を守るための「CAP」と呼ばれる教育プログラムも紹介されました。

CAPのお話を伺いながら、安心して、自信を持って、自由に生きるという3つの権利を守ることで、その子自身の依存症罹患予防になるのではないかと感じました。

月乃さんからは、依存症は治療できる病気で、もし罹ってしまったとしても周りが病気の理解をし、治療の後押しをする事が必要だと、朗読パフォーマンスを交えてメッセージいただきました。

 

セミナー最後のディスカッションでは、安心感を持つことが出来る居場所やつながりが家庭、学校、地域などにあることで、時に依存症の渦から子どもを守り、また時には子ども自身が依存症になることを防ぐことが出来るのではないか、という意見がお三方から共通して出されました。

 

安心感を持つことが出来る居場所やつながり。それらを子どもたちに与えていくのは大人たちの役割だと考えます。そのためには、まず、大人自身が安心感を持つ居場所やつながりを持っていることが必要。

今回のテーマ、私自身他人事ではない立場にいます。

非常に考えさせられるセミナーでした。

 

終わりに、新潟セミナーでもお届けしたデータを幾つか紹介します。

ワンネスグループ各施設の利用者の皆さん(一部)に、次の質問をしました。

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虐待の4つの類型を示し、過去このような経験をしたか?という質問です。

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少しでも経験をしたという回答が45% 「完全にそう思う」「とてもそう思う」と虐待を受けたという意識が強い方が28%という結果になりました。

さらに、お子さんがいる利用者の方に、虐待をした経験の有無を聞いたところ、

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29%の方が、虐待をしたことがあると答えました。

 

「過去に虐待をうけた意識が強い方28%」、「自身が虐待をした方29%」と、図らずも非常に近い数字が出ました。

いいえと答えた方の中にも、知らず知らずのうちに子どもたちへ影響を与えているケースがあるかもしれない。悪い影響のなかで育って行く途中で依存対象と出会い、依存症へと発展する可能性が高いのかもしれない。

親世代の依存症早期発見や早期対処、さらには親自身が生きづらさから解放されることは、子ども世代の依存症予防にも大変重要な事だと考えます。ワンネスグループは解決策のひとつを持っています。

 
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今週末、京都で「若者の依存症と回復」をテーマにしたセミナーを開催します。

■若者たちが陥る依存症の実態は?
■その背景には何があるのか?
■回復へとつながるきっかけとは?

 

【依存症を知るセミナーin京都 「若者の依存症と回復」】

日時:10月31日(土)午後1時半から
会場:京都社会福祉会館 2階第一会議室
入場無料/予約不要

セミナーでは、ワンネスグループのGARDEN(薬物・アルコール依存)、セレニティパークジャパン(ギャンブル依存)、FLOWER GARDEN(女性の依存症)の各施設から若手スタッフがチームを結成。

若者特有の問題、依存から回復の道のりなどを自身の体験談やアンケートなども交えてお伝えします。

企画、資料作成、当日の進行まで、全て若手スタッフが取り組む今回のセミナー。是非お越しください!

http://www.oneness-g.com/pdf/kyoto_seminar_201510.pdf