依存症経験者の視点で「生きやすい」社会づくりを目指す ONENESS GROUP ワンネスグループ

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  • 経験者目線のギャンブル依存対策~何が問題なのか?何が必要なのか?

2016.01.08

問題ギャンブルとカジノ対策を考える(8) 知ることは防ぐこと。知ることは解決への第一歩。

新年おめでとうございます。
精神保健福祉士の三宅です。

今年も、このブログを通じて問題ギャンブル対策にいくらかでも寄与できるよう、自身の経験、問題ギャンブラーや家族支援の現状なども含めてお伝えしてまいります。今年も宜しくお願いいたします。

いわゆるIR(カジノを含む統合型リゾート施設)法案については、通常国会が始まる前、昨年末から「成立見送りへ」といった報道が一部であり、今年もその動向が注目される所であります。が、法案に関係なく、既にギャンブルについて問題を抱え、苦しんでいる本人や家族、さらには親戚、知人・友人、会社の同僚、近所の方にいたるまで、本人の影響を受けている方々も、現に、それも多くいらっしゃるのが事実であり、「現状、どのような支援がどれだけあるのか?」「何が足りなくて、いまの私たちに何ができるのか?」を、待ったなしの気持ちで、私が勤務しているワンネスグループならびにセレニティパークジャパンでは、模索しチャレンジしていく一年に、今年もなるであろうと考えています。

ワンネスグループでは、年末年始に「依存症相談ダイアル(通話料無料)」「依存症sos相談メール」のヘルプラインを休まず提供し、結果、電話もメールも毎日相談があり、そのうちの約7割がギャンブルに関する相談でした。

日頃、相談を受けているスタッフは、ワンネスグループ各施設のスタッフでもあり、皆、何らかの依存症からの回復者です。私も年末年始はメール相談の対応をさせて頂きましたが、回答をお送りする際は、依存症についての基本的知識をお伝えするのみならず、自身の経験をその都度必要な分お伝えしています。

あのとき、どのような気持ちだったか?
あのとき、何をしようとして、何をしなかったか?
あのとき、何があれば、もしかしたら問題ギャンブルから解放されたか?

ギャンブルがコントロールできなかった、あの頃の私は、どうしようもない、人間としてやったらダメな事ばかりやってしまう、そこから何とかして抜け出したいが、同じ事を繰り返してしまうという毎日でした。

意志が弱い。その人の問題だろう。と片付けてしまうのは簡単ですし、家族も周囲の人たちも、社会の考え方としても、そのように言うほか無かったのかもしれません。

私が問題から抜け出たのは、当時の私の状態がどうやら「依存症」だということを知った事からでした。

意志が弱いんだ。だから意志を強く持とう。
それは、もう何回もやっていた事でした。それを依存症という考えを持たずに、もっと意志を強く持とうと躍起になっていったなら、・・・それで問題が解決しただろうか?それは難しいだろうな、と自身の経験ですが思うのです。

ここで、動画を見て頂きます。
アメリカのボルチモアから、市民に向けた問題ギャンブルの啓発キャンペーンの内容です。

ギャンブルをする際のそれぞれの限度額を決めること、自身のルールを決める大切さを話しています。
ギャンブルは大好きだけど、リミットを決めてやっているという体験談もある一方で、もしリミットになったらカジノ(ギャンブル)場から去ることを勧めています。もし、自分や家族がルールを守れないなら、フリーのヘルプラインに連絡、相談するよう提案してもいます。

ポイントは、これらの話をしている人が、医師でも大学教授でも、行政の担当者でもなく、問題ギャンブルを抱えた本人と言う事です。回復した本人は、片手には「かつて苦しんだ経験」をもち、もう片手には「その問題の解決策」を持っています。

いまや、苦しんだ経験は「財産」とも言えます。それは、問題ギャンブルの予防や、問題発生時の早期発見、早期介入、再発防止に役立ちます。今後、このブログでも私自身の経験をお伝えできればと思います。

スライド1

問題ギャンブルへの対策は、幾つものセーフティーネットでされるべきだと考えます。
依存症の可能性ある方は、そのネットをどんどん通り抜けて状況が悪化していくケースが多いのですが、早い段階で問題に気づいて対処方法を知り、実行に移される方もいらっしゃるかもしれません。

ワンネスグループでは、従来の入所型の対応だけでなく、今年から「夜間の通所型(日中仕事などされている方向け)」、「節制ギャンブルの提案」を行います。また、問題ギャンブルや依存症についてのヘルプライン、啓発(全国各地)・予防教育(学校や企業)、他機関との連携協力など、現在行っている事にについても充実を図ってまいります。

 

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◆ギャンブル依存症 ミニセミナー&相談会◆
「家族がギャンブル依存症かもしれない・・・」
「どのように対処したらよいか・・・」
セレニティパークジャパンのスタッフが直接相談に応じます。
(相談は事前予約をお勧めします/当日も現地で受付しますがお待ち頂く可能性があります)

<奈良・大和高田市> 1月17日(日)
時間: ミニセミナー13:30-14:20/相談会14:30-16:30
場所: セレニティパークジャパン(奈良県大和高田市東中2-10-18)

<大阪・大阪市> 1月17日(日)
時間: ミニセミナー18:30-19:20/相談会19:30-20:30
場所: ドーンセンター 中会議室2(大阪市中央区大手前1丁目3−49)

ご家族、ご本人、どなたでも参加可能です。
相談をご希望の方は、出来るだけ下記メールアドレスからご予約下さい。
miyake@spj-ag.org

参加料・相談料 無料です。

 

 

★依存症を知るセミナー(関西・東海地区 1月開催分情報)★
参加費無料/当日のご参加可能です。

<奈良・奈良市>1/12(火)18:30-
エルトピア奈良(奈良県労働会館) 小会議室3(奈良県奈良市西木辻町93-6)
「薬物依存症」
<大阪・大阪市>1/13(水)13:30-
ドーンセンター 中会議室2(大阪市中央区大手前1丁目3−49)
「企業内啓発について ~乱用・依存への対応~」
<愛知・名古屋市>1/22(金)13:30-
吹上ホール(名古屋市中小企業振興会館)第4会議室(愛知県名古屋市千種区吹上2-6-3)
「依存症からの生長(成長)的回復モデル」~回復支援現場に見るクライアントの変化のステップ その2~
※後援:名古屋市

いずれも入場無料・予約不要です。