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生活保護担当の職員の皆さまへ

私たちは依存症支援の専門家集団です。貧困ビジネスではありません。

誤解の現状

貧困ビジネスとは、「貧困層をターゲットにしていて、
かつ貧困からの脱却に資することなく、貧困を固定化するビジネス」
と定義され、
2008年頃から報道などで徐々に取り上げられ問題視され始めました。

ビジネスの例としては、ネットカフェ、住み込み派遣、無料低額宿泊所、ヤミ金融などがあり、
その多くは「社会的企業」を装いながらも、多くの問題を起こしています。

そのために「貧困からの脱却に資する」ための行動を地道に続けている団体や、
貧困にある方たちと関わっているだけで、「イコール貧困ビジネス」
という型にはまったとらえられ方をされる
ようになり、
本来、手助けを必要としている方たちに援助の手が行きわたらず、
結果として自立を望む方たちがもっとも影響を受けるという悪循環が起こっています。

私たちワンネスグループは、
依存症によって生活が破たんしている方に対して、
生活を整え、依存から脱却するプログラムを提供し、
もう一度社会で健康的な生活をしていただくための包括的支援を行う団体
です。

10年の活動の歴史の中、医療や福祉関係機関、司法、行政各機関との連携を深め、
海外から確固とした根拠のある依存症脱却プログラムを導入し、
最新の依存症支援を提供するべく努力してまいりました。

しかしながら、そんな私どもですら、これらの活動を
「貧困からの脱却に資することなく、貧困を固定化するビジネス」と評されることにより、
本人やご家族がワンネスグループ施設の利用を希望しながらも、
その望みが絶たれてしまうといったケースも見られる
のです。

なぜ貧困ビジネスと呼ばれるのか?

「貧困ビジネス」と呼ばれる施設の特徴は、
入寮や生活に必要な費用として、本人の生活保護費を徴収しながらも、
劣悪な環境で特別な支援もさせず、施設から出ていくわけにもいかないという状況を作り上げ、
その方の生活保護費徴収を目的としている状態
を指します。

2014年には福岡市にて、詳細は異なりますが、
アルコール依存症患者などを支援する施設において、
同じような実態が明らかになった事は記憶に新しいところです。

全国各地の依存症支援施設の多くは、依存症から回復した当事者自身が回復者として、
依存の渦中にある方へ経験を手渡し、回復から社会復帰に向けての支援を
ほぼボランティアで提供しており、貧困ビジネスとは対極に位置するもの です。

ところがひとたび、福岡市のような 不適切な事態が起きれば、
他の依存症支援施設も同じと見なされてしまう
のです。

私たちワンネスグループも同じような扱いをされた経験が実際にあります。

依存症により生活が破たんしている方に対し、生活を整え依存から脱却を支援しようと、
地域の保護担当窓口に、本人とともに相談へ向かいました。

保護担当者の方に、施設の見学をしていただき、
誠意を尽くしてプログラムの説明もさせていただきましたが、
貧困ビジネスと同一視されてしまいました。

地道に支援活動を行っている団体も数多くあるのだと、説明を尽くしてはいますが、
残念ながら理解いただけないケースがあるのが現状といえます。

ワンネスグループが貧困ビジネスとは異なる点

さらに申し上げると、
私たちワンネスグループは「依存症支援のプロフェッショナル」を名乗り、
設立以来、その言葉に恥じない努力や実践を積み重ねてまいりました。

長年、依存症者の支援施設で行われてきたミーティング中心のプログラム提供のみならず、
下記に列挙する 国際的な依存症カウンセラー資格について、
海外から講師を招き、グループ代表をはじめ、グループ各施設のスタッフが取得、
海外で治療効果が高いと評される依存症脱却のプログラムを随時導入しています。

・認定アディクションカウンセラー資格(米国より、最先端の治療スキルを持つカウンセラーを招聘、依存症に特化したカウンセラー民間資格を国内で初めて設立する。) ・リカバリーダイナミクス認定プロバイダ資格(依存からの回復について、広く知られている12ステッププログラムを施設利用者向けに翻案されたものを講義するための認定資格を日本初導入) ・国際アディクション専門職認定教育センター資格(ICCE)(米国、アジア、アフリカを中心に構成されるアディクションカウンセラー資格。ワンネスグループ代表の矢澤祐史は日本人で初めてリカバリーコーチの資格を取得) ・国際問題ギャンブルカウンセラー認定資格(IGCCB)(米国を中心とした、ギャンブル依存症者特化型のカウンセリング資格を日本初導入)

海外から講師を招くだけではなく、毎年春には、
米国アリゾナにある依存症治療共同体として有名な「アミティ」への研修旅行を組むなど、
依存症からの回復率を1%でも上げるべく、スタッフ各自が日々研鑽を積んでいます。

また、日本における国家資格である、
精神保健福祉士(PSW)を有するスタッフ も2名配置し、
医療機関や他の福祉施設との連携、行政や司法機関との連携にあたっています。

依存症脱却の手立ては上記だけではありません。
奈良県および三重県には独自で農園を開設。

座学やグループワークの枠組みでは回復が困難な方については、
農作物を育てる事を通して、依存脱却に必要な
「生きる力を身につける支援」
も行っています。

利用期間中は、必要に応じて生活保護担当者の方と連絡を取り合い、
利用者の状況や回復の度合いなどの報告を行い、最終的にはプログラム修了、
その方の状況によっては保護を終了し自立という道筋まで支援しています。

重ねて申し上げますが、ワンネスグループは、
単に施設で生活し、簡単な回復プログラムを提供するという団体とは、
プログラムのクオリティもスタッフの信念もまったく違う
のです。

実際の支援ケース

Mさん(40代後半男性、アルコール・ギャンブル東北地方)

20代後半より保護受給、遊興費で保護費を使うことが多かったが、2011年の震災後に悪化、ギャンブルもひどくなる。その当時すでに、地元から別のケースで利用者がいたのに、生活保護担当職員が気づき、弊所へ連絡。ワンネスグループ職員が本人へ動機づけをおこない、入所に至る。座学の理解はゆっくりで、通常より時間がかかったが、就労へつながり、保護を終了。

Tさん(50代前半男性、ギャンブル九州地方)

30代後半に、一度依存症施設利用もうまくいかず、実家で保護受給も、使い果たす。本人の意向で、奈良施設を利用開始。座学テキストの言葉を深刻に考えすぎる傾向があったので、農園での作業中心に。将来は農園のスタッフを目指したいとの意向。

利用者(生活保護受給から自立へと進んだ方)の声

「支援という愛をありがとう」T.Iさん:男性

当時の私は家もなく仕事もなく刑務所から出たばかりで、あるものは着ていた服と4万円と依存症でした。また、肝炎にも罹っており、「この先どうやって生きていけばよいのだろう? 死んだ方がましなのではないか? 生きていても辛いく大変なことばかりでまた犯罪をして生きていくしかない。」そんな心境でした。

そんな時、依存症や生きづらさは適切なプログラムを受ければ回復できると知りました。でも僕は、明日食べるご飯や寝るところもお金もなくそんなプログラムを受ける事なんてできない状況でした。しかし私は現在プログラムを終え自分の人生に希望を見出すことが出来るようになっています。それは生活保護という制度を利用し依存症と向き合い病気を治療し私を支えてくれた沢山の愛に命を救ってもらえたからです。この支援がなければ今頃は死んでいたか、また刑務所に服役していたでしょう。今度は与えてもらった愛を今は返す番です。頂いた愛に感謝をして次の人に繋ぎ紬いでいきます。

「自立への支え」M.Mさん:女性

自殺未遂、買物、借金、万引き、処方薬、市販薬の乱用が20年近く止まらず、仕事も全く続かなくなり、一人暮らしの部屋から出られなくなりました。年金生活の母親の貯金を食いつぶし、必死に節約しながらお金を工面してくれていた母のことも、全く大切にする事が出来ませんでした。

施設に繋がる前、施設に入る人は薬が止まらない末期の人と思っていましたが、私自身、生活保護を受け生活自体が落ち着いても、何かに依存せずにいられないことや、根本的な生きづらさは変わらず入寮を決断しました。母が年金生活の為、家族からの支援が不可能で、引き続き生活保護を受給することで、施設でプログラムを受けることができました。施設でのプログラムが進み、少しずつ自分を受け入れるようになり、去年の6月から施設のスタッフとして働かせていただくことが決まり、同時に生活保護を打ち切りました。今の私があるのは福祉の支えがあったからこそです。

「人生のどん底からなりたい自分へ」M.Mさん:男性

施設に入る以前の私は、ギャンブルが原因で仕事を失い、実家からも追い出されるありさまで、借金も膨れる一方でまさに人生のどん底にいました。そんな状況でも、ギャンブルをやめることができませんでした。施設につながる直前は、生活保護を受けながらギャンブルをしていました。正直その頃の私は、ギャンブルに狂っていて何の罪悪感もありませんでした。

そんな折、知人が施設を見つけてくれ、自分ではもうどうすることもできないと思い入所を決意しました。ケースワーカーも施設の入所に理解を示してくれ、入所後も支援をしてくれました。プログラムを受ける中で、自分は世の中から見捨てられたと思い込んでいましたが、決してそうではなく、多くの人々の支援で死なずに生きてこられたことに気づくことができました。

プログラムのおかげで、人生に何の希望も見いだせなかった私が、『なりたい自分になろう』と思うことができ、1年前に施設を退所しました。退所後も施設と生活保護の支援を受けながら生活をしていました。そのおかげで現在は、保育園で働きながら保育士資格の取得に向けて歩んでおり、間もなく生活保護も打ち切られ本当の自立生活が始まろうとしています。ここまでの回復は、施設のプログラムと生活保護の支援があったからだと思っています。これからは、この経験を活かし子どもたちの支援ができればと思っています。

「不安な生活から前向きな生活へ」Y.Kさん:男性

東北地方から施設に来て1年半になります。

ここに来る前の自分といえば、どうしてもギャンブルを止められない苦しみの中にいてどうする事もできない日々を送っていました。

自分のギャンブルへの依存は年々ひどくなる一方で、母親が施設のことを知り、スタッフの人に相談をしたことからインタベンション(介入)になりました。その時は入所を拒否したのですが、その半年後にどうにもならなくなり自ら入所を決め、その時に生活保護のお世話になりました。来て解った事ですが、自分をギャンブルへ向ける力となっているのが「不安」であり、自分が一人では解決する事ができない大きな問題である事がわかりました。

日々の生活では常に人にどう思われているのか・・・これから先、自分はどうなるのか・・・不安に襲われると、どうしようもない状況になり、その事を忘れさせてくれるものはギャンブルしかありませんでした。

施設に来てからの生活も決して自分にとっては楽なものではありませんでしたが、一つ大きく変わったものがあり、それは、ギャンブルを止めても苦しまず、自分の夢を持つことが出来る様になったという前向きな気持ちになれたという事です。

今はまだ、プログラムの途中なのですが、今あたえられているボランティアを通して、社会復帰への自分の力を育て続けたいと思っています。

  • ワンネスグループ お問い合わせ先
  • 依存症相談ダイヤル:0120-111-351 受付時間10:00~17:00
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