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2016.08.25

【新】ギャンブル依存症者の父親として(1) /あざらし

(ブログ編集部より)
本日より新しいエピソードがスタートします。
ギャンブル依存症者の父親である、ペンネームあざらしさんが、回復に向けた過程で感じられた事を綴ります。
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彼がパチスロを止めてもらうために、私の出来ることは全てやった。

なんとか本人が気付いて、更生して欲しいと祈る毎日だった。

毎日毎日、彼の生活に目を光らせパチスロをしないように、彼の後をついて歩くことを考え実行した。

近所にパチンコ、パチスロのホールが3か所ある。
私には不思議なことに、彼をなんとかしようとするエネルギーがふつふつと湧いてくるのだ。彼が日中家にいない日は、多分パチスロしているであろうとの予測のもと一軒ずつホールを廻った。
そして彼を見つけて「こんなことをしていないで家に帰ろう!」と怒鳴った。

彼は当然反抗した。「俺の金で遊んで何が悪い!」その時の彼の顔は忘れられない。

 

一体私は何をしているんだろう?

通帳を預かった。その中から彼に生活費を与えた。彼の食事の心配をした。

「親の責任だ!なんとか一人前にするのだ!」と親の使命感に燃えた。

しかし彼は変わらなかった。

もう言葉に出して言う気力も無くなった。

 

冷たい雨の降る晩秋の夕方、自助グループのミーティングに藁をもすがる思いで参加した。「このミーティングにはギャンブルを止める魔法の杖がある。」と思い参加した。

メンバーは暖かく迎えてくれた。頭の中の鉛色の雲が晴れていき、胸のつかえが取れていくのがわかった。

(つづく)