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2019.10.27

ギャンブル依存症の物語(ペンネーム:ジャスミンさん 第1回)ひたむきに努力していた息子の姿が、なぜ。

(ブログ編集部より)ペンネーム:ジャスミンさんの体験記を5回にわたって掲載します。
スポーツに熱中していた息子の変化、ギャンブル依存症に至ってゆくなかでの失望、依存症回復支援施設へ入所する息子を見送ったときの気持ちなど、母親としての思いを綴られています。
 
 
【第1回:ひたむきに努力していた息子の姿が、なぜ。】
 
 
「借金を返す為にスロットをしている。」
 
これを本気で言っている息子を見て、狂っていると驚愕しました。
 
 
 
小学生から大学まで野球一筋で生きてきました。
 
名選手という訳にはいかなかったけれど、
 
努力の人、という評価を受け信頼もされていたと思います。
 
ひたむきに努力する姿に強い意志を感じ、
 
この経験は彼の一生の財産になると信じていました。
 
野球が何よりも優先された学生生活でした。
 
 
スポーツ推薦で大学に入学したものの1年程で引退し、
 
趣味程度の活動に変わっていきました。
 
 
 
そんなある日、15万円の借金が発覚しました。
 
今までは、交通費とスポーツドリンク代だけあれば十分。
 
そのような息子の生活ぶりからは、考えられない金額でした。
 
そして、キャッシング(借金)をしたこと自体が驚きでした。
 
その理由を聞いてみると、
 
「友人の海外旅行のキャンセルを代行したが、手続きに不備があり請求がきてしまった。」
 
その代償金の支払いとのことでした。
 
 
事を荒立てたくもなかったので、私がすぐに返金しました。
 
 
 
それから数ヵ月後に2度目の借金が発覚しました。
 
「ブランドの服を買い豪遊してしまった。」と平謝りでした。
 
 
厳しく注意をしましたが、利息も付くし自力返済は無理だろう…。と判断し、
 
今度は夫がローン会社に返金に行きました。
 
 
野球という目標を失い、
 
そのエネルギーをどこへ向ければよいのか迷走している。
 
夫と私はそのような解釈をしていました。
 
 
 
しかし、それからも数人の友人からの借金が発覚しました。
 
ATMの横に私が張り付き、
 
現金を渡し息子に操作をさせ返金させました。
 
 
 
悲しく失望しました。
 
今までの彼の真面目だった生活態度に未練があるのです。
 
目を輝かせボールを追いかけていた息子の姿が、忘れられなかったのです。
 
 
 
借金を精算すれば新しいスタートができる。
 
そう信じていました。
 
 
《 つづく 》