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2019.11.02

ギャンブル依存症の物語(ペンネーム:ジャスミンさん 第2回)息子を信じたい、立ち直らせたい。

(ブログ編集部より)ペンネーム:ジャスミンさんの体験記、その2回目(全5回)を掲載します。
スポーツに熱中していた息子の変化、ギャンブル依存症に至ってゆくなかでの失望、依存症回復支援施設へ入所する息子を見送ったときの気持ちなど、母親としての思いを綴られています。
 
 
【第2回:息子を信じたい、立ち直らせたい。】
 
 
目を輝かせ野球に取り組んでいた息子が、突然の借金。
 
それも、一度ではなく、二度も。
 
 
悲しく、失望しながらも、
 
借金を精算すれば新しいスタートができる、私たち夫婦はそう信じていました。
 
 
しかし、期待はすぐに崩れ去り、息子からは嘘と言い訳しか聞くことができなくなりました。
 
「預かっていた部活費を落としてしまった。」
 
「友達のパソコンを壊した。」
 
「女性関係で困っている。」
 
「知り合いの車をぶつけてしまった。」
 
 
そのたびに、これで最後だろう、これで終わるだろう。と。
 
彼の不可解な出来事に付き合い、全て肩代わりをしていました。
 
 
話の全部を信用していた訳ではありませんでしたが、
 
彼の嘘が悲しく、辛かったのです。
 
問い詰めていくと、また嘘をつかせることになる。
 
嘘を付く、その顔を見たくなかったのです。
 
 
嫌なことに、フタをするようになりました。
 
翌日にはバレてしまう、5分後には辻褄が合わなくなる、
 
そんな嘘をつくのです。薄々病的なものを感じていました。
 
 
そんな子ではなかった。
 
損をするくらいの‘正直者’、息子はそのような子だったのです。
 
 
今度ばかりは分かってくれるだろうと、何の根拠もない期待を抱いてしまうのです。
 
これは一時的なこと。
 
私は、問題を小さく捉えようとする癖がついてしまったのです。
 
そう考えないと私はもう、立ち行かなくなっていました。
 
 
借金以外にも生活費の管理もできず、携帯料金や税金の支払いも督促が来て、私たち親が払う始末でした。
 
 
金銭管理のできない病気?
 
クレジットカード、免許証、保険証、パスポート・・・ありとあらゆる身分証明証を取り上げて、私が管理をしました。
 
 
『母親である私が直してやるしかない。』
 
母親の愛情を伝えていけば必ず直る。母親…母親…。
 
もがき苦しみました。
 
 
借金があっては新しい生活が踏み出せない。
 
その為に返済を手伝う。
 
これが、息子が立ち直るための‘支援’だと思っていました。
 
 
《 つづく 》