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2016.03.25

「生きていてくれてありがとう」~娘との物語~ いのうえよしこ(第二回)

今日近くの公園を通りかかると、桜の木がほんのり色付いて、
とてもウキウキした幸せな気持ちになりました。

 

娘が16歳のころ摂食障害で、体も心も荒れていた頃、
私は、娘の病気の責任は自分にあり、苦しみを共にしないと
いけないと思っていたため、自分の生活を楽しむとか、
季節ごとの自然を楽しむとか、全く忘れていました。

痩せることにとらわれた娘は、
頭の中は食品のカロリーのことばかり、口を開けば、
この食材は何グラムまで食べればいいのか?
昼食のメニューは何にしよう?
夕食は何を食べればいいのか?明日は?
と、一日中何度も同じ会話を繰り返すのです。
認知症になった母と同じでした。

少しでもめんどくさそうな様子をしてしまうと、
暴言を吐き、壁をこぶしでたたいたり物を投げたり
荒れてしまうのです。

だんだん食べなくなり、どんどん体重が減り続けたため
入院したのですが、病院で言われたのが
「お母さんの愛情はちゃんと伝わってますか?」・・・・でした。

私の育て方が悪かったんだ。
もう一度やり直さないと。
私しか彼女のしんどさを解ってあげることができないんだ。
私が頑張らないと。

私だけが楽しむ事なんてしてはいけないし、できない。
そんな狂気の思い込みの中に生きていました。

「私もしんどいんだよ!」と言えずにいたのです。
本当はくたくただったのに・・・・。

ワンネス家族会で勉強を始め、摂食障害も依存症だと教わり
あのころから私は共依存パワーを付け始めていたんだと感じています。
「親なら当たり前でしょっ」て思ってたことは私の病だと知りました。

私は共依存症だと認めることができたから
今は、言えます。
「そんなこと言われたら、私は悲しい。」
「そんなこと言われても、私にはどうすることもできません。」

今は一人で抱え込まずに、人に助けを求めることもできます。

そして、今はつぼみが膨らむ桜にワクワクしています。

2016年3月21日